View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 28, 2012

不勉強な「一般市民」 -

27日夜のNHKテレビニュース(7時および9時)で、安倍晋三自民党総裁が「何をしたいのか分からない」とか「他の候補との違いが分からない」あるいは「まったく期待していない」「(総裁選は)民意を反映していない」といったことを街の人々が話していました。毎度おなじみのNHKが嫌いな政治家叩きです。しかしこの人々の言動を見ていると、「きちんとニュースなど見ていない」「はじめから政治家の意見を聴く気がない」「あまりにも今の情勢について不勉強だ」と感じました。総裁選の5人の候補の演説やインタビューをものの2回も見聞きすれば、各候補の主張の違いは分かったはずです。だれが総理になっても日本は変わらないと思うのも無理はありませんが、ひとつの政策を実現するためには、官僚機構の動かし方、国会での議決、マスコミへの説明など気の遠くなるような複雑な「手続き」が必要です。しかしこの面倒な手続きを忍耐強く踏んで行くのが民主主義です。魔法のように為政者の鶴の一声で「エイヤッ」と政策が実現するのは、独裁国家です。そういう魔法使いのいる国がよいのですか? そういう国に住むのは怖くはないですか? 私たちはこの面倒な手続きのある国に生きていることを自覚し、まだるっこしさや自由に意見を言っても逮捕などされないことを幸福と感じるべきではないでしょうか? 問題は為政者がそうした手続きの彼方にどういう未来を構築したいのか、未来が目に見えているのかです。厳しい目で安倍総裁や石破茂幹事長を採点しましょう。彼らには目先の問題に対処する具体策も、中期的なビジョンも、さらには長期的なグランドデザインもあると私は見ています。

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COMMENTS

1 : mayu : September 28, 2012 09:12 PM

政治に無関心な人はまだまだ多いでしょうが、領土問題をきっかけに意識の高い人々が(特に若い年代で)確実に増えています。それと同時に、報道機関が本当の民意を伝えない事に気づいている人の割合も増加していると思います。

今、一番心配なことは、野田内閣が人権擁護法を閣議決定してしまったことです。この法案に反対意見をお持ちの松原仁国家公安委員長が海外出張中の隙を狙ったかのように。
物言えば唇寒し…こんな思いは決してしたくはありません。

民主主義の根幹を揺るがすこの法案の危険性が、マスコミは対象外のため報道されません。私たちは、この法案が発効しないよう地元の政治家に働きかけていかなければと思っています。

2 : mayu : September 28, 2012 09:44 PM

上のコメントの『人権擁護法』は、19日に閣議決定された『人権救済機関設置法案』(人権救済法)が正しい名称でした。
不正確で申し訳有りませんでした。訂正致します。

3 : 湖の騎士 : September 29, 2012 10:53 AM

mayu様 コメントとご丁寧な修正コメントをありがとうございました。この法案はマスコミの扱いひとつで、大衆の注意を逸らすことができる類のものです。一面にもってくるかどうかだけでも、ずいぶんインパクトが違います。松原仁国家公安委員長がいない閣議で決定されたというのも危険なにおいを感じさせます。最近の「閣議決定」は本当に危険です。尖閣の国有化という超重大案件を、大した反論も議論もなしに閣議で決めてしまったことへの反省もマスコミによる批判もないように見えます。閣僚たちは次の内閣改造で引き続き閣内にとどまりたいために、総理の意図に反するような発言はしません。ワンマン社長が仕切る取締役会より、もっと始末が悪いです。会社の場合は愚かな意思決定をすれば、会社が潰れるかも知れないという緊張感がありますが、今の閣僚たちは愚かな決定により国が亡びるかも知れないという危機感を持っていません。本当に恐ろしいことです。