View of the World - Masuhiko Hirobuchi

January 05, 2013

白虎隊とリーダーの資質 -

今年もテレビ東京の長編時代劇が1月2日に放送されました。「白虎隊」です。若者は知らず、中高年にはなじみ深い題材です。今年は家老西郷頼母(さいごうたのも)が主人公(北大路欣也)でした。ジェームズ三木の脚本は相変わらず史実の歪曲が多すぎ(土方歳三が会津藩士とともに官軍と戦うなど)ましたが、そこそこに娯楽性があって楽しめました。十数年前に、制作した白虎隊物よりは、感傷的な要素が少なかったです。さて、これをご覧になった方は何を感じられたでしょうか? 平凡ながら私の見方は、武士道をまっとうして、若い命を散らした少年兵たちへの共感でもなければ、君主に直言する家老の勇気でもありませんでした。「大局が読めない一国のトップリーダーがいかに領民(今なら国民)に悲劇をもたらすか」が最大のポイントでした。今までにもこういう見方をしている人は多いですが、今年は3代つづいた超凡庸な日本のトップリーダーを見てきた直後だけに、とくに強くそう感じた次第です。会津中将松平容保は攘夷派の浪士たちをテロリストと見なし、これを取り締まることが崇高な使命だと感じて京都守護職の任務に没頭します。そのために藩の財政は逼迫し、民は年貢も払えず、塗炭の苦しみに喘ぎます。この殿は、日本が大きく討幕に向かっていることが読めず、薩長軍と自軍の兵力の圧倒的な差も認識できませんでした。ために国は滅ぼされ、少年兵たちも女性たちも壮絶な死を遂げます。凡庸なリーダーを持つことが、いかに恐ろしいことであるかを、思い知らされたドラマでした。

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