View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 26, 2013

黒田総裁では夢がない -

安倍政権は次期日銀総裁に黒田東彦氏を起用する案を提示しました。マスコミはほとんどどの社もこの案に反対せず、民主党内にも反対意見はないそうです。またしても「大勢に従う」という日本の「病」です。25日の東京株式市場は黒田氏を「積極金融緩和論者」として伝えた報道のために、急上昇しました。(26日には海外市場の影響もあって急落しています)。しかし彼は本当の、積極的金融緩和論者なのでしょうか? 渡辺喜美みんなの党代表は、黒田総裁案に真っ向から反対しています。「官僚出身者ではだめだ」という持論に加えて「彼は外国債券の購入にも反対している。積極的金融緩和論者などではない」とうのが反対の理由です。今のところこの意見は少数派です。しかし渡辺氏の意見を支持する識者は多いのです。表面に現れないだけです。私も「黒田氏ではあまりにも夢がない」という意見です。長く暗い心のトンネルからようやく抜け出せそうになってきたのに、旧大蔵官僚が国の最重要ポストについたのでは気分が晴れません。黒田氏は手堅い官僚かも知れませんが、国民を幸福にする夢や哲学を持っているとは思えません。人間的な面白味や想像力はどうなっているのか? 民衆がこんなにも苦しんでいる実情に対する真の思いやりや、この苦境を乗り切るための使命感を持っているのでしょうか? 副総裁候補に挙げられている岩田規矩男学習院大学教授が総裁になることを望んだ人は、この点で岩田氏のほうがはるかに意外性があり、夢を持たせてくれる人物だと見ていました。ここまで順風満帆で進んできた安倍政権ですが、この人事でかなりの失望を買ったと思います。「黒田案」の背後にいると見られる麻生財務大臣には、「あまり強硬に持論を唱えず安倍総理にやりたいようにさせたらどうか」と言いたいです。自分が自民党政権を崩壊させた元凶だったという事実を思い起こし、「自分が考えることは誤っていることが多い」という考えに立ってほしいものです。

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COMMENTS

1 : Sako : February 27, 2013 10:15 AM

私は黒田氏を現時点では、賛成も反対もしていません。
ただ、官僚出身ということでの反対には忌避反応をしてしまいます。
そうと言いますのも、民主党がまさに「官僚出身だから反対」とし、白川総裁が誕生しました。
渡邉議員には、「アジア通貨圏構想を述べていた様な人物は相応しくない」と反対してもらいたかったです。
それならば、支持出来ました。
外債購入を推し進めると、中国・韓国といったほぼジャンク債の様な資産が増加する可能性があります。日銀資産の劣化と外交上不利益を被る危険性があるとみます。
ドイツとアメリカ国債なら良いでしょうが、日銀買うと言えば、価格が上昇するでしょうから、高値掴みになるでしょう。

2 : 湖の騎士 : February 27, 2013 11:57 PM

Sako様 コメントありがとうございます。私も官僚出身者だからという理由で黒田氏に反対しているわけではありません。しかし日本郵政の社長が2代つづいて大蔵省出身というだけでも許せないのに、日銀の総裁も同じ出身というのでは、日本はなんだかんだと口ではえらそうなことを言っていても、結局は官僚支配の国ではないかと外国の識者も投資家も思います。日本国内でも「官僚は所詮は型にはまった発想しかできない」と思っている人は私の周囲にもたくさんいます。市場は「黒田に失望売り」を始めているのかも知れないとまで思われます。黒田氏が総裁になれば、なんともいえない「閉塞感」「無力感」が広がるでしょう。そこに安倍総理も麻生財務相も気付いていません。安倍さんは「前例のないような大胆な金融緩和をする」とぶちあげました。しかし今回の人事はけっして「大胆な人事」ではありません。むしろ「小心者のやる人事」です。外債の購入についての貴方様のご意見に賛同します。