View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 19, 2013

「大使」の値打ちを暴落させたコミッショナー -

プロ野球の統一球の問題をめぐって、「私は知らなかった」と言い逃れをした加藤良三コミッショナーの発言が大問題になっています。加藤氏はいやしくも日本のプロ野球の最高の責任者であり、権威であるはずです。しかし彼は「統一球が変更されていたとは知らなかった」と言いました。「あれは事務局長がやったことで、自分は知らない」というわけです。しかしこうした言い訳は民間会社の社長の場合には許されるわけがないことです。とんでもない欠陥商品を出したり、サービス上の大失態を犯した時に、「私は知らなかった。あれはすべて専務がやったことだ」という言い逃れをするでしょうか? そういうことはありえないことです。仮に社長として知らなかったとしても、部下なり役員の罪をひっかぶって、一言の言い訳もせずに、いさぎよく表舞台から去ってゆくというのが、大丈夫たる者の出処進退の美学というものです。それを事務局長のせいにして自分は生き延びようとしているのは、見苦しいかぎりです。加藤氏は日本の「大使」たちの値打ちを暴落させました。「元駐米大使といっても、所詮はあんなものか」というあざけりの声が聞こえています。知り合いの大使経験者たちに聞いてみましたが、まったく同意見でした。怒りの声は巷にも霞ヶ関方面にも満ちています。加藤さん、もっと見苦しくならないうちに、ここは一日も早く辞任すべきです。野球選手はもとより、青少年たちに「組織のトップというのはあんなものか!」という幻滅を味わわせた罪は、貴方が考えているよりはるかに重いのです。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : 悠々 : June 20, 2013 08:35 AM

コミッショナーという地位は国でいえば大統領ですから、彼の弁解は確かにみっともないものです。
加藤良三コミッショナーは駐米大使の経験があったからこそ、日本のプロ野球のコミッショナーを引き受けたのだと思います。
アメリカのコミッショナーは絶対権力者でやりがいのある仕事だと思ったからでしょう。
しかし、日本のプロ野球界はアメリカのシステムを真似はしていますが、実態は大違いです。実権は球団オーナーが握っていて、コミッショナーは司会者どころか、単なる飾り物に過ぎないことを加藤良三元駐米大使はご存じなかったのです。
加藤良三コミッショナーも席をけって辞任したかったに違いありません。でもそれはできなかったのです。飾り物になって生き恥をさらしていなんて考える後任者が居ないからです。
球団を私物化しているオーナーたちをどうにかしなければ日本の野球は国民に見放されてしまうでしょう。
ここはマスコミと選手会、コミッショナーが緊密に手を組んで改革に取り組まなければなりません。
私などの外野がそういうのは簡単ですが、オーナーの結束は強固で
改革などやる気はありません。
私は野球はアメリカのを見ています。それもしたり顔で喋り捲る日本の解説者やそれに迎合してうるさいアナウンサーの声が聞こえない英語に音声は切り替えています。
加藤良三コミッショナーが能力を発揮しないのではなく、オーナーによって棚上げされているのだと思います。

2 : 湖の騎士 : June 20, 2013 10:38 AM

悠々様 コメントありがとうございます。仰るとおり日本のコミッショナーには権限はないのでしょう。昨日の「クローズアップ現代」でもスポーツジャーナリストがそういう解説をしていました。しかし「自分は知らなかった」というのは、言い訳の余地のない暴言です。加藤氏は、その後前言を翻し「猛省」すると言いました。明らかに延命のための言葉です。もしわがままなオーナーたちに一矢を報いたいのなら、最後まで前言を貫き「こんな仕事はやっていられるか」と開き直ればよいのです。「後任がいないから」などと心配する必要はありません。自分の進退を賭けるくらいの意気込みがなければ、球界の改革などできっこありません。彼は「コミッショナーとして最善をつくす」と言っていますが、こんな人物が最善をつくしてもろくなことはできないでしょう。辞めるのが最善の道です。私の意見は、外務省で大使を務め、生身の加藤氏に接してきた人たちの「現場体験」「生きた人物評」に基づいてのものです。