View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 03, 2013

クルーズが生み出す雇用 -

アメリカの大型客船サンプリンセスに乗って講演してきました。6月23日に横浜を出発。神戸ー釜山を通って28日台北(基隆)到着。私たちはそこで一行とお別れし、台北に2泊。30日に全日空機で羽田に帰ってきました。クルーズ船での講演は15年ぶりです。短い旅でしたが、いろいろな物を見、いろいろなことを学びました。旅に興奮して旅日記ふうなことを書くつもりはありません。皆さんの興味を引くかどうか分かりませんが、自分が感じたことを、二、三綴らせていただこうと思います。まず感じたことは、クルーズの乗組員(クルー)の数です。船長を筆頭に、900人が乗り込んで働いていました。機関士、ボイラーマン、料理人、ソムリエ、ウェイター、フロントデスク、部屋の掃除係などなど、その職種は多岐にわたり、とても私の想像力では補えません。従業員の出身地もさまざまで、フィリピン、タイ、インドネシア、インド、イタリア、アメリカ、日本などまさに多国籍でした。ひとつの船でこれだけの人々の雇用が生まれているのです。発展途上国の人々にとって、安定した収入が得られる職場というのは、そう多くありません。ひとつのクルーズ船が動くことで、これだけの人々の仕事が確保されるのです。さらにこの船にガソリンや食料、水、飲料などを積み込む産業の広がりを考えると、クルーズ船の影響力というのは相当な大きさです。トマトやオレンジの消費量だけでも、大変なものです。そしてこのシステム産業を支えているのはいうまでもなく「乗客」です。乗客の皆さんは、自分たちがそこまで雇用に貢献しているとは考えていないと思います。自分のお金で、あるいは子供や孫にプレゼントされたお金で船旅を楽しんでいる恵まれた人々です。人生の厳しい競争を戦い抜いた後に、安定した老後を迎えた方々でしょう。この方々が、多くの人々の生活を支えている図式というのは、まことに結構な姿だと感じました。それにしてもこうした船旅が可能なのは、緊張をはらみながらも平和が保たれているからこそです。いろいろなことを考えさせられた旅でした。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : みるとす編集部T : July 4, 2013 02:50 PM

廣淵先生

お疲れ様でございました。船というのは他の交通機関とは違う魅力がありますね。このようなインターナショナルな大型客船ならなおのこと。あぁ、いつか私も豪華な船旅を楽しみたいもんです。

2 : 湖の騎士 : July 6, 2013 10:54 AM

みるとす編集部 T様 コメントありがとうございます。クルーズ船の乗客の皆さんがどういう人生を送ってこられたかを考えると想像力がかぎりなく刺激されます。記事にも書いたとおり、皆さんは公正な人生の競争を勝ち抜いてきた人々だと思います。こういう人たちを「恵まれた富裕層」と捉えて、自分たちとは異質の存在だと思い込む人も(メディアも)いますが、私は国民の大多数がその気になればクルーズを楽しめるような社会が実現すると思いますし、ぜひそうなってほしいと願っています。T様も数年の内にはクルーズを楽しめるようになっておられると思います。そうなるよう心から祈っています。