View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 15, 2013

世界でいちばん使われている英語とパリ祭 -

今度の航海では基隆港で船を降り、台北に2泊して飛行機で帰ってきました。台北では実にシンプルなことに気付きました。80歳台から下は2歳くらいの子供まで、何の違和感もなく使っている英語があるのです。それは「オーケー(O.K.)」と「バイバイ!」です。タクシーの運転手さんに行き先を漢字で書いた紙を見せると、すぐに「オーケー!」と言います。子供同士が孔子廟で別れる時は「バイバイ!」です。これは日本でも、おそらく韓国でも、さらには中国でもほぼ同じ現象ではないだろうか、と思いました。どなたか両国を最近訪れた方にぜひおうかがいしたいと思います。口ではアメリカの世界政策を批判ばかりしている人でもこの二語は使っているのでは内でしょうか? 想像はさらに飛躍して、「英語嫌い」で有名なフランスではどうなっているのか、と考えました。いくらなんでもこんなところにまで、英語嫌いの原則は及んでいないのかも知れませんが、はたしてどうでしょうか? 断固として「O.K.」を拒否し、「ダコール」で押し通しているのがフランス人だとすれば、それは」それで見上げたものだと思います。7月14日は日本では長いあいだ「パリ祭」の名で親しまれてきました。フランス革命記念日です。昔のインテリはこの日にはるかなセーヌの河畔に思いを馳せ、シャゼリゼ大通りをまぶたに描いたものです。そのパリ祭の影が近ごろずいぶん薄くなったような気がします。これも世界を席巻している「英語文化」の影響でしょうか。「O.K.」や「バイバイ!」が普及すればするほど、フランス文化の影響が薄れてゆく気がします。しかし「パリ祭」の人気は廃れても、ルイヴィトンやエルメスの人気は衰えていません。フランスもけっこうがんばっているのだなと思います。

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COMMENTS

1 : M.H. : July 16, 2013 12:05 AM

OKかな~ と思っておりました。
でも、なるほど! 日本では、バイバイの方が広く使われるかもしれません。喋りはじめたばかりの子どもも手を振りながらバイバイしますから。「バーイ」と一度だけの方外国っぽく感じますぬが、万国共通語ですね。

OKは便利な語です。「了解」「諾」「可」「結構です」「よくできました」等よりも 書くのが楽で好んで使っております。

ここで、ふと疑問が...
O.K.のドットは何の省略記号だろう?
「オーライ」はAll Reightと習ったけどこれは何かな?
調べてみましたら、アメリカ起源の案外新しい語らしいですね。意外です。しょっちゅう使ってて外来語だとは知ってましたが、あまりに身近だから「カステラ」などポルトガル起源の語よりも歴史の浅い語だったなんて !
思わぬ発見ができました。ありがとうございました。

では、パリ祭の花火に思いを馳せながら失礼いたします。
(♪マルセイエーズのファンファーレ♪)

2 : 湖の騎士 : July 16, 2013 06:35 AM

MH様 コメントありがとうございます。お久しぶりです。実にシンプルな旅の感想でしたが、書いた甲斐がありました。O.K.の語源に興味を覚えてお調べになるというのはさすがです。実を言えば私も2,3年前まで知らなかったのです。他の読者の方々のために、ここで「通説」となっている語源を紹介させていただきましょう。これは「オールコレクト」(万事正しい)の誤記だそうです。アンドリュー・ジャクソン大統領は教養のない人として有名ですが、決裁書類の表面にサインする際にAll Correct というのは Oll Korrekt と書くのだと思い込んでおり、O.K.と略してしまったと言われています。そういう点では教養のない方もアメリカ英語を世界に広めた功績は大きいのですね。パリ祭は遠くなりにけりですが、マルセイエーズの歌はまだ健在です。

3 : 悠々 : July 16, 2013 08:01 AM

私は毎年フランス各地を旅していますが、Okは偶には使われるようです。
バイバイの方は先ず使われないと思います。
フランス語は日本語と同様、語彙が豊富ですから、その場面にふさわしい言葉が必ずあります。
チャオもかなりの国で通用しますがフランス人はあまり口にしないようです。
乾杯の時には「チンチン」とか「カンパイ」と言ってくれますがこれは私が日本人だから配慮してくれているのかも知れません。
以前のフランス人は絶対にと言って良いほど英語は話しませんでした。私が英語で尋ねても答えはフランス語で返ってきました。
最近は英語で聞けば英語で答えてくれます。
ほとんどのフランス人が英語は理解できるようです。
でも第二が外国語としては英語に地位は低く、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、の下に来る程度だと思います。
Okの語源、私は考えもしませんでした。一つ利口になれました。
ありがとうございました。

4 : 湖の騎士 : July 16, 2013 10:59 AM

悠々様 コメントありがとうございます。毎年フランスに行っておられる最新のご経験をうかがえて、今もフランス人の英語嫌いはあまり変わっていないのだなと実感しました。貴重な情報です。商売上、有益となれば英語を使う人がいるのもうなずけます。O.K.の語源はあくまで「通説」ですが、大体正しいようです。お役に立ててよかったです。

5 : M.H. : July 16, 2013 11:42 PM

詳しいご説明をありがとうございました。
先生も2,3年前までご存じなかった!!なんてびっくりしました。まさに略語の盲点ですね。 

Oll Korrekt と間違われたのは「話せても書けない」とレベル。これにも驚きました。それでも大統領になれたという事実に、創成期の若きアメリカの夢を感じて、ジャクソン大統領のことを調べてみました。すごく波乱万丈の人生を送られた方ですね。この方がOKの言葉の発明者(?)というのは面白い歴史の偶然だと思います。 

実は、昨日、あまりにも巴里祭のニュースが流れてこないことに物足りなさを覚え、こちらのサイトなら何か読ませていただけるのでは、と願って訪れてみたら大当たりでした。
キャトーズジュイエーのご縁でアメリカンドリームまでたどり着いた楽しい時間でした。どうもありがとうございました。

6 : 湖の騎士 : July 18, 2013 10:21 AM

MH様 再度のコメントをありがとうございます。アメリカが独立して間もなくのころ、パリでは革命が起こっていたのですね。ジャクソン大統領にかぎらず、あのころのアメリカでは「話せても書けない」人が多かったのだと思います。それにしても最近の日本ではフランス文化の影が薄いですね。ブランド品に憧れる気持ちの三割くらいでもフランスの文学や歌への関心が蘇ってくれば、世界がもう少し立体的に見えてくると思います。昔のフランス礼讃派たちはどこへ行ったのでしょうか? 郷愁のゆえではなく、あまりにも強い英語圏文化の独走を抑えるためにも、シャンソンのひとつも歌える日本人が少しはふえてほしい気がします。宮崎駿監督の「風立ちぬ」が公開されます。堀辰雄の原作への謝辞を広告で見かけました。しかし「風が立つ。さあ、生きようではないか」と歌った本家本元はフランスのポール・ヴァレリーでした。堀辰雄は彼の詩に触発されて小説「風立ちぬ」を書いたのでした。