View of the World - Masuhiko Hirobuchi

October 05, 2013

凱旋門賞と日本文化 -

10月6日(日曜日)パリのロンシャン競馬場で、世界最高のレースとされる「凱旋門賞」が開催されます。発走は日本時間の夜11時15分。フジテレビでは11時からほ放送されます。。今年は日本から2頭の有力馬が参加し、その内の1頭が優勝しそうだというので、日本でも大きな話題となっています。ふだん競馬に関心がない人も、このレースだけは観ようという人が多いようです。4日の朝日新聞夕刊は、13面と15面でこのレースを扱っているくらいです。2頭というのは2011年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞の三冠を制したオルフェーヴルと今年の日本ダービーの優勝馬キズナです。日本人や日本馬が絡んでくると、急に愛国心に駆られれて応援する人、興奮する人が出てきますが、これも自然な感情の流れでしょう。変にひねくれないで、日本馬が勝てば拍手を送りたいと思います。でもそれだけではちょっと物足りません。体操やサッカーで日本人が優勝するのと、競馬で優勝するのでは少し意味が違うと思うからです。競馬というのは、ひとつの「文化」であり、「知的体系」です。3歳の時にしか出場できない「クラシックレース」をはじめ、整然としたルール・体系があります。飼い葉の与え方、トレーニングの仕方、ファンとしてのマナー・楽しみ方、賞金の決め方などひとつの「システム」が出来上がっています。そうしたシステムは、英国をはじめ世界共通のものです。日本が明治時代に文明開化の時期を迎え、教育・法律・工業をはじめ生活のあらゆる面で欧米先進国の仲間入りをしましたが、「競馬」もそのひとつでした。その世界最高峰のレースで、日本馬が勝つということの意味はきわめて重いといえます。もしオルフェーヴルなりキズナが優勝すれば、世界の識者が日本を見る目はいちだんと好意的になると思います。単に「有力馬を輩出した」ということではなくて、「日本という社会」「日本というスステム」が、世界最高の馬を生み出したという評価になることは間違いないでしょう。ただ無邪気に喜ぶのもいいでしょうが、私のように「少し考えすぎ」くらいの人間がいてもよいのではないでしょうか。

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COMMENTS

1 : 悠々 : October 6, 2013 09:03 PM

凱旋門賞は過去に何度か挑戦していますが、未だ優勝は出来ていませんから、今年のレースは楽しみですね。
先生がご教示されたように、凱旋門賞に出場するだけでも大変なことですから、毎年チャレンジしている日本についてはかなり評価されていると思います。
日本の国土は欧州から見たら発展途上国が多い熱帯に近い国という印象を持たれていました。
札幌・長野で開かれた冬季オリンピックで日本は雪の降る国だと言うことが知られて、日本の評価が上がったと言うこともあります。
凱旋門賞で優勝できれば、日本も欧州の一流国並みという評価が得られることでしょう。
でも国会議員の先生方が、失言やら暴言やらを多発して、低脳振りを発揮し国威を引き下げているのは嘆かわしいです。

2 : 湖の騎士 : October 8, 2013 09:24 AM

悠々様 コメントありがとうございます。凱旋門賞の結果は残念なことになりました。オルフェーヴルは有馬金を最後に引退することが決まったようです。「もしも」はこういう場合に禁物ですが、「もし昨年のレースで池江調教師が池添騎手で挑んでいたら、オロフェーヴルは勝てた」のではないかと私は思っています。ロンシャン競馬場を知りつくし、フランス競馬に習熟しているからという理由で、スミヨンを起用し、乗り慣れた池添を外した池江の「弱気」が災いしました。今後オルフェに匹敵する名馬が出現するかどうかは分かりませんが、かえすがえすも残念です。いただいたコメントの最終部分、「国会議員の先生方の失言・暴言が国威を引き下げている」というご指摘に全面的に賛同します。本人たちにその自覚がないことが大問題です。