View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 28, 2014

呆れたオバマ氏の情報感覚 -

4月25日にソウルで行われた記者会見の席で、オバマ米大統領は「慰安婦問題は重大な人権侵害だ」と記者団に語り、韓国政府および大衆を大いに喜ばせました。しかしこの発言は、日本人大多数の怒りを買ったことは間違いありません。怒りを通り越して日本人は「呆れて」います。彼は「韓国政府の情報を鵜呑みにしている」のです。この問題はきわめてデリケートな問題であり、日本では「韓国が歴史を捏造し、反日プロパガンダを米国などで繰り広げている」ことは、広く知られています。この説には反対だという人でも、韓国の言うことを頭から信じるほどナイーブな日本人はいないでしょう。練達の政治家なら、「あるいはこれは韓国のプロパガンダかも知れない。この問題について深入りするのは危険だから、当たらず障らずの発言にとどめておこう」くらいのことは考えるはずです。しかしオバマ氏は、実に一方的に韓国の言い分に乗ってしまい、日本人の心を傷つけたのです。しかも彼は事の重大性に気付いていません。昨年秋以来、我々はオバマ氏の外交的センスと知識のなさ、決断力のなさ、状況判断のミスの実例をたくさん見てきました。シリア問題ではプーチン大統領の仕掛けた罠にまんまとはまり、イランの核開発問題でも失点し、ウクライナではロシアの電光石火の侵略に手も足も出ませんでした。「あの情報感覚では、アメリカはロシアに太刀討ちできない」と世界の多くの人が見ています。今回の大失言も、こうした情報感覚・外交感覚の貧しさに基づくものだと言えるでしょう。さて、こうした危ない大統領とどう付き合って行くべきか。日本はよほど腹を据えて対外広報を展開する必要があります。しかし肝心の安倍総理が、オバマ発言を踏襲するような発言をしているのです。安倍さんの情報感覚も状況判断力も狂ってきています。まことに心もとない次第です。

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COMMENTS

1 : 青柳武彦 : May 5, 2014 05:08 PM

 オバマの情報感覚もさることながら、むしろ日本人の情報感覚こそが大問題と思っています。
 日本人社会の中では人的関係をスムーズにするのに大いに役だってきた「悪くないと思っても先に謝るのが大人の態度」、とか「事を荒立てないで常に穏便に穏便に」とか、「一段と高いところで達観していれば分かってもらえる」などという考え方が裏目に出ているものと思います。
 社会学者の浜口恵俊は日本型組織は「成員相互の密接な連関性に特徴があるのであって、その構成原理は『協同団体主義』とでも表現されるべきものであろう。また、それの基盤となるのは『間人(かんじん)主義』という関係性重視の価値観である」と述べ、かつ「自分自身の意思決定だけに基づいて行動するのではなく、相互の機能的連関に十分配慮した上で行動する主体 」によって成り立っていると述べました。
 これは国際的にはまったく通じない考え方ですが、日本政府も外務省もこの考え方にこりかたまって無為無策できてしまったのが真の原因です。たまに大阪市長のように本当のことを発言すると「無用の混乱を来たす」などといって非難の大合唱が起こります。これこそが真の原因であると日本人は大反省をすべきでしょう。
 これからは「混乱と紛争を作り上げること」を目的としてどしどし発言をすべきです。少なくともこれらの問題は疑義が多く紛争中の問題であることを広めることが重要と思います。真実を知ってもらうことは、その先にあるのであって、一足飛びに正しい理解を得ることができるなどということはないと思っています。小生も及ばすながら「史実を世界に発信する会」のメンバーとして、英文で事実を発信することに勤めています。

2 : 湖の騎士 : May 6, 2014 10:58 AM

青柳武彦様 コメントありがとうございます。日本人の情報感覚こそが大問題だというご指摘は正しいと思います。しかし日本にとって大問題なのは「情報感覚」よりも、「発想法」「価値観」「哲学」の領域ではないでしょうか? これについては改めて書かせていただきます。