View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 11, 2014

議論が長引けばデマゴーグたちが有利になる -

集団的自衛権の問題で国会論議や自民公明両党の協議のニュースに接するたびに「もううんざりだ。いい加減に結論を出せ!」と思う人がふえてきました。内容が本質的な論議から離れて、起こる可能性が低いことが「もし起こったらどうするのか」ということにばかり傾いているからです。それよりも、もっと身近で「起こりうる可能性が高いことが起こったら、どう対処するのか」を真剣に論議してもらいたい、と多くの人々は思っています。しかしマスコミは「20日ごろまでに閣議決定をしようろいうのは、拙速だ」と政府の態度を批判しています。はたしてそうでしょうか? 私には「拙速(せっそく)」とはとても思えません。むしろ「拙遅(せっち)」です。こんな言葉はありません。私の造語です。政府はいたずらに議論を長引かせています。拙劣であり、あまりにもスピードが遅すぎます。野党および公明党は、ベトナムの船が沈められ、中国軍機が異常接近している現実を全く理解していないように見えます。議論が長引けば長引くほど、デマゴーグたちが有利になってきます。民衆の恐怖を煽り、ぐさりと胸に突き刺さる虚言をまき散らすのがデマゴーグたちの得意技です。それに自民党も政府も気付いていないように見えます。あえてまだるっこしく抽象的な書き方をしました。分かる方には分かっていただけると思います。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : 泥田の落武者 : June 15, 2014 04:47 PM

湖の騎士様、

先程、拙宅の前で、共産党が「平和憲法が~~~~、9条が~~~~、集団的自衛権が~~~~」と騒いでおりました。(ほぼ毎週来てますが)

私も騎士様のご意見に全く同意で御座います。同盟国の重要性は孫子の時代から強調されておりますし、クラウゼヴィッツも破壊するべき敵の戦争資源の一つとして、同盟国を挙げています。

日本が同盟関係という安全保障上の資源の運用に当たり、訳の分からない理屈や、感情論、反日工作等により、制限を加えられるというのは、あってはならないことですし、日本の安全を危うくする要因ともなりかねません。

自民党に電話をしてみて、「拝み屋」と連立解消はしないのか?と聞いた見た所、そういう意見は多いが・・・というような感じで、どうも「拝み屋」連中の組織票が欲しいようです。安全保障政策という国の大事において、政策が一致しない宗教団体まがいの政党と、連立を組むというのはそもそも連立政権の本質を踏み外しているのでは?

世界中でこのようなバカげた議論を延々とやっている国は、「平和国家」日本だけでしょう。地域の不安定に貢献して何が「平和国家」でしょうか?アジアのおかしな世界中で不評を買っている連中以外に、日本の集団的自衛権の行使に反対している国があるでしょうか?

解釈改憲は許されないだのなんだの言いますが、法律の解釈なんぞ時代によって変わりますし、個別的自衛権は認められるという現在の憲法の解釈も、憲法を無理繰り解釈したうえでの結論です。

日米豪がもしベトナムや、フィリピン等のASEAN諸国と同盟関係を結べば、果たして中共の暴虐無道はあり得たでしょうか?結論は火を見るよりも明らかです。「平和」をいうなら、戦争を起こせない状況・環境を作るのが一番であるのは論を待ちません。

訳の分からない「拝み屋」との連立維持のための「バナナはおやつか、デザートか」というレベルのバカげた議論より、「拝み屋」なんぞぶった切って国際標準の「集団的自衛権」を導入することに全力を挙げるべきでは?
(ここで変な妥協をすると、またおかしな不磨の大典が出来かねません。)

2 : 泥田の落武者 : June 15, 2014 04:59 PM

湖の騎士様、連投誠に失礼を致します。

もう一人、決断が遅くてムカついている輩がおります。御推察の通り、オバマです。バグダッド陥落を阻止するため、徹底した空爆を行うべき、という判断は(判断と呼ぶに値するかどうかも疑問ですが?)やるべきかどうかではなく、どの様に行うべきか、というレベルの判断かと。

3 : 湖の騎士 : June 15, 2014 05:35 PM

泥田の落ち武者様 遠慮会釈なくずばりと本音を語るコメントをありがとうございます。共産党は「安倍政権の『暴走』を止めなければならない」としきりに言い、プロパガンダに乗せられやすい人々は「そうだ。その通りだ!」と同感しています。しかしこの政権が「暴走」していると思う人は一体どのくらいいるでしょうか? むしろ「臆病すぎて煮え切らない」政権ということで、だんだん「頼りにならない」と看做され始めているのではないかと思います。さらに公明党との癒着に加えて、農協などの「集票勢力」に擦り寄って愛想をつかされ、自民党ぎらいが急増した五年前とだんだん状況が似てきたように思えてなりません。気付かないうちに、政権の柱は根本から腐り始めているのではないでしょうか? 公明党支持層の票が欲しい気持ちは分かりますが、「憲法解釈」などとどうもやっていることが姑息すぎます。まともに物を考える人々の失望を買っていることに、政府は早く気づくべきです。もうひとつオバマ政権についてのお言葉について。私はずばり言って、この政権の「知的レベルが低すぎる」ことが、世界的な危機を招いていると見ます。ケリー国務長官のコメントを聞いても、サキとかいう報道官の記者発表を見ても、「高校生でも言いそうなこと」しか言っていません。この程度の頭脳で、世界一の大国の外交が務まるわけがない。しかし、問題はどうやってそれを本人たちに分からせるかです。アメリカのメディアがいっせいにそこを攻めても、オバマはまず理解できないでしょう。それでも何らかの形でメディアへの意見表明は続けなければなりません。本当に気の重いことです。

4 : 青柳武彦 : June 20, 2014 06:05 PM

与党協義は公明党の反対により不調ですので、阿部首相が目論んでいた閣議決定から法案提出へは難しいようですね。しかし、小生はこの経過に若干不満を持っていますので、公明党の反対で不調なのはむしろよかったと思っています。
 それは検討されているグレーゾン対応策などの法案がすべてアファーマティブ・リスト方式(やって良いことを列挙して、他はすべて禁止)ですので自衛隊の戦闘能力を著しく阻害するからです。ネガティブ・リスト方式(禁止事項のみをかかげて、他はすべて現場の指揮官の判断に任せる)の法律でないのなら、むしろ何もない方がずっと良いと思っています。いざとなれば、首相の指揮権で、かなりのことができます。「人命は地球よりも重い」との妄言をはいて身代金をはらってテロを釈放して国際的な非難をあびた首相がいましたが、この「超法規的措置」で何の法的制裁もうけていません。
 自衛のための行動を憲法違反などとは誰も言えないでしょう。国家が国民の生命と財産を守るための措置は自然法(憲法を含めたあらゆる成文法に優先する)に基づく自然権ですから、9条になんと書いてあっても違憲にはなりません。最高裁は文句を言わないと思いますよ。
 最高裁は統治行為論で憲法判断回避をするでしょうし、日本は付随的違憲審査制をとっていますから、当事者能力のある人が具体的な損失を被ってからでないと最高裁は違憲審査をできません。
 日本は、「9条解釈路線」をとっていますから限定的容認とか自衛隊の手足を縛るなどという発想から抜け切れません。今後は「9条否定路線」で行くべきですし、それは法理論的にも可能です。ただ、日本の裁判官、検事、弁護士、内閣法制局などは総じて自然法、法理、立法論に極めて弱いから、こういう発想ができないのだと思います、詳しくは雑誌「WiLL」の7月号(発売中)と8月号(来週発売)の拙論をご参照ください。

5 : 湖の騎士 : June 22, 2014 09:33 PM

青柳武彦様 コメントありがとうございます。日本の限られた言語空間の中にいると、仰せのような発想は出てきません。きわめて貴重なご意見です。日本の法律関係者や官僚の中には法匪(ほうひ=法をもてあそぶ匪賊(ひぞく))と呼ばれる連中がいて、細かい条文などをあれこれといじり回し、そのために国民の安全を大きく損ねている輩がいます。そういう連中が、このご意見を目にしたら、どういう反応をするでしょうか? イギリスでは法律などはいちいち知らなくても、「常識(コモンセンス)に従って行動していれば間違いないという思想が広く浸透しています。こういう国では法律知識を振りかざして民衆を脅かすような人間はきわめて少ないものです。日本では法をもてあそぶ輩が多すぎます。お言葉によって安心する人の方が、心配する人よりも数はずっと多いと思います。