View of the World - Masuhiko Hirobuchi

January 29, 2015

「10分間300万円に命をかける」男 -

このところ日本のマスコミは後藤健二氏を美化し、まるで英雄のように扱っています。そして一部のメディアは前々から大嫌いな安倍晋三首相が、好戦的な発言により「イスラム国」を刺激したと非難しています。これに古賀茂明氏のような言論人が同調し、民主党や共産党の女性議員が激しい安倍批判を展開しています。「でもこれってちょっとおかしくないか? そもそも後藤氏は何のためにシリアのような超危険な所に行ったのか? そこをなぜメディアは報じないのか?」と思っている人はたくさんいるはずです。メディアの後藤礼賛は「日本的な一種の全体主義ではないか」と危惧する声も当然あるのに、そうした声はメディアに載りません。それを不思議に思っていたら、ついに「週刊文春」(2月5日号)がこれを取り上げました。後藤氏は「10分間300万円に命をかける」男だというのです。彼の中東行きは、ビジネスのためであり、大マスコミの社員たちが冒さない危険を冒すことで破格の報酬を得るためであったという見方です。この記事に賛同するか反対するかは読者の自由です。しかし多くの人々が「そうではないか?」と感じていても口にできないこと、大メディアがまるで談合のように口裏を合わせて報じない真実を、ずばりと突いているのではないでしょうか? 

[Post a comment]

COMMENTS

1 : yuuyuu : January 29, 2015 05:58 PM

電車に飛び込んで自殺する人が毎日何人もいます。そのために電車は遅れ乗客は迷惑を被り、飛び散った肉片を拾い集める人の労苦はいかほどのものかと私は何時も思っています。
飛び込んだ人のことはTVも新聞も取り上げはしません。
今回の人質事件も当初は政府もマスコミも知らん顔で報道しませんでした。
危険を承知で出かけた馬鹿者のことは無視するのが一番です。
最近になって大騒ぎしているのは、イスラム国と称する狂気集団と馬鹿者の日本人が無料で宣伝できたとほくそ笑んで居ることでしょう。
私は馬鹿らしいからこのニュースは見も聞きもしないようにしています。
個人の自由意志で行った行為に関して、政府は関与しません、と切り捨てればいいことです。
平穏な生活をしていた日本人を日本に侵入して拉致した北朝鮮の行為とはまるで違う次元の話だと思います。

2 : 泥田の落武者 : January 29, 2015 10:50 PM

湖の騎士様、

池内先生や、野口先生といったアラビストの方の記事を見ていますと、日本のメディアは大量に情報を流しているが、裏付けが取れているかどうかも分からず、意味があるか疑問であるというご意見を示しておられます。

特に池内先生は
「しかしありとあらゆる言いがかりを考えつくものだと、感心するよ。そういう人がテロに触発されてわさわさ発言しメディアが取り上げる。そういうメディアと学者はいい加減に退場を迫られるといい。」

ということで、何でもかんでも日本政府が悪い安倍が悪い、という報道姿勢を批判しておられます。

全く同感です。ISも本当にどこが情報を発しているか分からず。イランやら、イスラエルやら、あちらこちらのメディア、政府関係機関がバラバラな情報を流しています。ある程度私も追いかけましたが、「何やら人質の交換が行われるかも知れない」という以上の情報は全て無意味と割り切り、結論が出るのを待つことにしました。

それにしても、日本独自の情報・諜報機関の必要性を強く認識させられた事件ですね。

3 : 泥田の落武者 : January 30, 2015 07:46 PM

こちらの記事、コメントに全ては尽きるかと・・・・

http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/

4 : 湖の騎士 : January 30, 2015 09:43 PM

悠々様 コメントありがとうございます。実にスパッと割り切ったご意見です。近頃の日本では、腹の中ではそう思っていても、それを口にする勇気のある人はほとんどいません、政治家もマスコミも、それを言えば「感情的世論」の袋叩きにあうことを恐れています。だから一億総ナントカで、俗論に媚びる人間ばかりになりました。こうした「感情による世論という暴力」に屈し続けていれば、やがて最も危険な事態が訪れた場合に、政府は毅然として正しい手が打てないことになってしまいます。その結果国が滅びる危険さえあるでしょう。そろそろ俗論に別れを告げるべき時です。せめて自由と民主主義が根付いている先進国並みの「賢明な世論」を作り出すために、マスコミは大衆を煽ることをやめて、理性的な報道に徹してもらいたいものです。

5 : 湖の騎士 : January 30, 2015 09:54 PM

泥田の落ち武者様 コメントをありがとうございます。私はこのお二方のコメントに接していませんので大いに参考になりました。日本は自称「イスラム国」にいいように操られています。冷静なはずの日本経済新聞でさえ、全くの「ミーハー」になってしまっています。1月29日付けの「春秋」欄は、そうしたミーハーイズムの典型です。同日付け産経新聞の名物コラム「産経抄」も、「他紙と横並び」の後藤礼賛記事になっています。もっと他社とは違う意見を言う勇気と見識をもってほしいものです。落ち武者さんや悠々さんのご意見は本当に貴重です。

6 : 湖の騎士 : January 30, 2015 10:10 PM

泥田の落ち武者様・読者の皆様 まずこの記事への落ち武者様の「2回目のコメント」に厚く御礼申し上げます。すばらしいサマリーで、マスコミが伝える内容とは「雲泥の差」です。他の読者の皆様も、ぜひ泥田の落ち武者様の2回目のコメントの中にあるアドレスをクリックしてみてください。頭がすっきりして共感を覚えられることが多々あると思います。

7 : Sako : February 2, 2015 05:25 AM

私は、俗っぽいところはあるが週刊誌の方がジャーナリスティックだと感じます。
今回の事件、有象無象の輩が沢山湧いてきて、興味深かったです。
母の原発会見を、新聞・テレビは上手く編集をしたのが可笑しかったです。今の時代、ネットで全文が読めるのですけどね。

8 : JC@Z-city : February 2, 2015 07:44 AM

ご無沙汰しております,お元気そうで嬉しかったです

私はこの一連の安倍首相の発言,行動に心から
賞賛致します.

いつぞやテロリストを解放した超法規なんとかで
いまだそのテロリストは地球上のどこかで何か企んでいると聞いています

今回もし身代金を払ったら,テロリストを増長させ,外国に在住している邦人が余計危険な目に遭うと信じております.

9 : 湖の騎士 : February 4, 2015 09:57 AM

Sako様 コメントありがとうございます。たしかに週刊誌の方が大新聞やテレビよりもジャーナリスティックだと感じることが多いですね。それにしても俄か「中東通」や中にはテロリストと交渉するために現地へ出かけて行ってもよいと政府に提案する「学者」も出てきました。まさに「湧いて」きたという感じです。一般の方々の方がメディアに出る人間よりもはるかに良識があると感じさせました。

10 : 湖の騎士 : February 4, 2015 10:08 AM

JC@ZーCity 様 コメントありがとうございます。しばらく記事を更新しないと病気になったのではないかと心配してくださる方がいますが、おかげさまで元気です。安倍首相の言動は、理性的に物事を見る人々には高く評価され、世界の多くの国からも強い支持を得ています。しかし日本には何とかして彼を貶めようとする勢力があります。一部メディアと野党です。こうした逆風に立ち向かって行くのは大変です。メディアがもう少しフェアになり、良識を備えてほしいものです。

11 : 小龍 : February 4, 2015 06:12 PM

先生ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。

今回の一件で様々なメディアから、ありとあらゆる情報や憶測が飛び交っていましたが、先生から学生時代に教わったメディアリテラシーの重要性を再認識させられているところです。

大手メディアは今回の件を、蛮勇は死して英雄となった、というような扱いをしております。
私はこの事件が起きるまで後藤という人物のバックボーンなど知る由もありませんでしたが、表向きは正義感の強いジャーナリストであったのかもしれないと感じつつも、幼い子と愛する妻を省みず、彼を危険地帯へと向かわせた動機は果たして彼の中にある正義感だけなのかと疑問に感じていました。
後藤氏の家族や10年来の付き合いのあった池上彰氏が画面上で涙を流すなど、感情的な面ばかりがクローズアップされている為、最も重要な部分が抜けてしまっていると思います。

余談ですが、世界を飛び回る戦場カメラマンとして有名な渡部陽一氏は以前こう話していたそうです。

『ジャーナリストは無事に生きて帰る事が前提、どれだけ活躍したジャーナリストでも捕まったり殺されたりしたら軽蔑する』

『ロバート・キャパは地雷を踏んで英雄になったけれどもカメラマンとしてはやっぱり負けなんだと思います』

これを見たジャーナリストの方たちがどう感じるかは人それぞれでしょうが、私はこの言葉にとても共感しました。

12 : 湖の騎士 : February 4, 2015 10:00 PM

小龍様 おひさしぶりのコメントありがとうございます。貴方の見方に賛同する人は多いと思います。日本のメディアが年々情緒的になって行くことに私は大きな危惧を感じています。これではまるで先の戦争に国民を駆り立てた、あのころの新聞およびNHKのやり方と同じではないかと思います。いま何よりも必要なのは、「理性的な見方」です。貴方が引用してくれた言葉は、本当に価値のある言葉です。私が「10分間 300万円に命をかける男」と「現在形」にしたのは、「命をかけた」と過去形にすると後藤氏が死んだことになるかも知れず、そこを慮ってのものでした。週刊文春では「命を賭けた」と過去形になっていましたがーー。私の講義をよく消化して下さって、教師冥利につきる思いです。重ねて「ありがとう」を言います。どうかお元気で。たくさん疑問を抱いて現実を見て下さい。