View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 03, 2015

6月4日に何が起こったか? (1989年) -

ベルリンの壁が崩壊する5か月前、1989年の6月4日に、世界の歴史を揺るがす大事件が東洋で起きました。はて何でしょう? このブログをお読みくださっている方々は、「ああ、あのことか!」とすぐに思い浮かべられることと思います。逆に、「はて、何のことだろう?」といつまでも考えている人々もけっこう多いことはたしかです。なにしろ26年も前のことです。すぐには思い浮かばない人がいるのも無理はありません。しかし国会議員や自治体の長、マスコミ人間、大学の先生などで、この問いに対して直ちに答えられない人がいるとしたら、その人々には「世界平和」や「日本の安全」について「語る資格がない」とあえて申し上げたいです。いま、国会は「安保法制」の審議で大きく揺れています。質問する野党は、日本人が安全に暮らせるためにはどうすべきかといった観点からの質問はほとんどせず、いかにして政府にダメージを与えるかばかり考えて質問しています。一方、政府は挙げ足をとられるのを恐れて、慎重で無難な答弁を繰り返しています。不毛な議論が多すぎます。こうした野党の政府追及の姿勢の中に決定的に欠けているのが、上記の6月4日に起こった事件が物語る、ある大国の「本質」についての認識と、その後の26年間に、この国が行ってきた恐るべき軍備増強・世界秩序への挑戦姿勢です。「一体、どこを見ているのか?」と感じます。この大国に親近感を抱くことが、「平和愛好勢力の証しだ」と錯覚している見当違い人間も多数います。しかしあなたが親近感を抱く大国は、言論の自由をいっさい認めず、それを要求した若者たち(一説では数千人)を自国の軍隊を使って、首都の広場で虐殺したのです。今もこの惨劇を語ることは、かの国では完全に禁じられています。この国と友好的に付き合うことは、私も賛成です。しかし、この事件の前もその後も、この国の「本質」が全く変わっていないという冷厳な「事実」だけは、常に頭に入れておきたいものです。そういう認識がない人々も世論も本当に危険だと思います。

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COMMENTS

1 : Sako : June 4, 2015 06:48 PM

昨日、アキノ大統領が国会で演説をされました。
http://youtu.be/SFmH9_tZzgU

これを見た野党議員は、何も思わなかったのか?と問い質したいです。はっきりと、中国の海洋進出を非難し、日本が平和国会として歩んできたと言われています。
戦時中にフィリピンを攻めた軍艦と同じ名前を持つ自衛艦が、災害救助に駆け付けてくれたとも具体的に述べられています。
演説中に寝ている馬鹿議員もいますが、普通の認知能力を持った人なら、話し合われている安保法制は問題ないし、中国が地域を不安定化いているのは明らかです。
野党議員は「一体、どこを見て"いた"のか?」

2 : 湖の騎士 : June 4, 2015 09:45 PM

Sako様 コメントありがとうございます。アキノ大統領の言葉を「我が事」として受け止める能力のない国会議員やマスコミ関係者が多すぎます。そういう人たちは、私がこの記事の中で、「自国民を砲撃し、戦車で圧しつぶして虐殺した大国」の名前をあえて出さず、虐殺された広場の名前も出さなかったのはなぜかを、まず理解できないでしょう。イデオロギーとか、政治的立場の違いなどとは関係なく、この国が企み実行していることの恐ろしさは、まともな感性を備えた人なら、誰でも分かるはずです。しかし、それが分からない連中がいるのが日本です。安保法制がなぜ必要なのかを、民衆に分からせるには、それこそ死にものぐるいの努力が要ります。今日発売の「週刊文春」と「週刊新潮」はまるで申し合わせたように、安倍政権批判に転じました。これは由々しい変化です。この変化を察知するセンサーが、政権側に備わっているのかどうかが心配です。

3 : 青柳武彦 : June 7, 2015 05:04 PM

 1989年6月4日は、中国で天安門広場事件が起こった日ですね。後年、米国を訪問した中国政府要人(名前は忘れた)は、天安門事件では一人も殺さなかった、とうそぶいたが、嘘も甚だしい。中国共産党自身が死者は三百人余と発表していた。実際には数千から数万人が無差別射撃で殺された。中国共産党は必死に事実を隠ぺいしようとしてきたが、世界中にこの暴挙は広まった。
 日本が有効な安全保証策を取ろうとするならば、個別的自衛権とか集団的自衛権などという議論をしている暇はない筈。何時も思うのですが、平和を損ねる者は平和主義者です。平和主義者は侵略者が攻めて来たら抵抗しないで死ぬ覚悟が出来ているのでしょうか??  私は
殺されるのはいやですね。
 日本が自衛隊に望むのは、絶対に負けない事、そのために必要と思うことは何でもやること、ただし残虐行為や化学兵器使用や、その他、国際法で禁じられていることはやってはいけない。それだけです。
 それにしても日本の憲法学者は、憲法の何たるかを知らない愚か者ばかりですね。嗚呼!! (興味のある方は、昨年の雑誌『ウイル』7月号及び8月号の小生の憲法論を参照乞う。)   青柳武彦

4 : 青柳武彦 : June 7, 2015 11:35 PM

 前の書き込みの補足です。「雑誌を読んでくれ」といいっぱなしでは、あまりに失礼と思ったので小生の意見を下記に要約しておきます。なお小生は憲法学者ではありませんが、博士学位は法律論(情報法)でとりましたのでまるっきりのド素人というわけでもありません。
(1)立憲主義について
 憲法はほかの法律と異なって政権をしばる法律なのだから、縛られる政権側が憲法を改正するのはおかしいという間違った議論がある。たしかに憲法が成立する歴史的過程ではそうした性格を持っていたとのは事実だが、現在では諸法律体系を律する最高法規という側面の方がはるかに大きくなっている。条文にも、政権だけでなく国民を直接規定する条文がいくらでもある。
(2)憲法は、それ以外の実定法(民法、刑法、商法、など)と全く異なり、国家の基本的なあり方を規定する。そして国家には主権者たる国民の生命と財産を護るという絶対的な義務がある。(ジョン・ロック等) それは国家にとって絶対的な義務であると同時に自然法上の絶対的な権利でもある。
 自然法は憲法に優先するというのが法理であるから、自然法に反する憲法や憲法の条文は無効である。九条の規定との関係云々というのは、条文の法解釈上の事だから、自然法が成文法の憲法に優先するという事実とは関係がない。
(例:米国の修正憲法第一条は言論の自由の絶対的自由を定めているが、米最高裁のホームズ判事はあらゆる自由や権利は互いに競合するのだから絶対的な自由も権利も存在しないというのが法理であるとして「明白かつ現在の危機」がある場合には言論の自由を制限しても違憲ではない、という判例を確立した。)
(3)日本の法律学者や法律家(裁判官、検事、弁護士、内閣法制局長官)などは、すべて実定法の法解釈学には強いが、こうした自然法、法哲学、法理、などの分野にはからきし弱いという大問題がある。
 今回、国会で参考意見を述べた憲法学者は全員が「上程中の安全保障法案は憲法違反である」という意見を述べたが、これでは国が滅びて憲法だけが残るということになりかねない。「現行憲法は主権者たる国民の生命と財産を護らないから自然法に反し、したがって無効である」という正しい憲法論を展開した学者は一人もいなかった。
(4)まず憲法を先に改正して、その後に安全保障法案を検討するのが順序であるという、いかにももっともらしい意見がある。終戦後、連合国が日本に押し付けた(ポツダム宣言違反)硬性憲法の性格の為に、早急な改正は難しいという現実があるのだから、現行の改正条文を文字通りに護っていたら極めて危険である。これは一種の衆愚の結果だ。
 政府としては放置しておくわけにはゆかないのだから、国民の生命と財産を護ることに重点を置かざるを得ない。それを違憲というのであれば、国民に主権があるという大原則を否定することになる。

                 青柳武彦

5 : 泥田の落武者 : June 8, 2015 06:14 PM

湖の騎士様、

そう言えば、こういう恥ずかしい「報道」???もありましたね・・・・

https://www.youtube.com/watch?v=C-8a255cx5c

6 : 湖の騎士 : June 8, 2015 09:58 PM

青柳武彦様 2つのコメントをありがとうございました。まず1番目のコメントについて。日本の国会議員や県知事、大学教授たちの中で、1989年6月4日に北京天安門で起きた惨劇を映像として見ていない人がけっこう多いのではないか、と私は疑っています。もし見ていれば、かくも楽観的・好意的な対中国認識はありえないからです。できれば「テレビの生中継」で見ていてほしかった。アメリカのCNNは、この日の一部始終を「生で中継していた」のです。ですから後になって、中国政府の要人が、「我々は一人も殺していない」などと言い訳をしても、それは完全に嘘です。なにしろ世界で何億という人々が、この「生中継」を見ていたのです。そのテレビカメラは、自国の人民を虐殺する戦車・大砲・機関銃の乱射を捉えていたのです。そのころ中国のトップは、まだきわめてナイーブでした。テレビの威力というものを理解していず、したがってCNNが早朝から天安門にカメラを据えることを許可したのでした。それが思いもかけなかった大反響を生み、中国に対する非難の嵐が巻き起こったために、以後は徹底的にテレビ取材を取り締まるようになったのです。中国について、メディアで何か語ろうとするなら、何はさておき、まずこの映像を見てからにしてほしいものです。

7 : 湖の騎士 : June 9, 2015 04:09 PM

青柳武彦様 いただいた第二のコメントについて。「法匪」という言葉があります。法律をいじくり回し、素人衆には分からぬ解釈をふりまいて自分たちに有利に事を運ぶ不逞の輩を、かつての匪族になぞらえ、「法をもてあそぶ(弄ぶ)匪賊」と呼んだわけです。日本にはこういう「法匪」が多すぎます。お怒りはこうした輩に向けられているのだと思います。後から小賢しく作った法律なんかより、何百年も続く「常識」や「慣習」の方がよっぽど価値があるとイギリス人は考えています。成文憲法を持たない国の英知(叡智)といったものに、日本人はもっと注目すべきでしょう。