View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 10, 2015

最も大切なものを失いつつある安倍総理 -

今日タクシーに乗りました。「今日も暑いですね」「朝方少し雨が降りましたが、相変わらず暑いです」「近ごろはどうですか?」「いやあ、毎日毎日テレビは同じことばかり言っていて、嫌になってきますね。平和、平和と叫ぶだけで、じゃあどうすれば平和が実現するのかを少しも言わない。こんなことをやっていたのでは日本ももうだめですよ」。私はよく言えば「いくつになっても希望を失わない」人間のつもりですが、客観的に見れば、「あきらめの悪い」男だろうと思います。日本の前途にもまだまだ希望を繋ぎたいです。しかし40代とおぼしき目の前の運転手がここまで言い切るのに驚き、衝撃を受けました。この人が言う、「日本ももう駄目です」の中身をさらに詳しく聞きました。「安倍さんは、自分の背後に熱心に支えてくれている人々がいることに気付いていない。数か月前にはあった自信がぐらつき、マスコミが煽る大衆のほうに擦り寄ってばかりいる。戦後70年談話の内容が伝わってくるが、本当にいやになってくる。私と同じような無力感に陥っている人は結構多いと思う。そうした人たちこそが、平和を築くにはどうすればよいかを真剣に考えている者たちだ。そういう心を安倍さんは裏切っている。皆が言うから安保法制は危険だと思うような人々は半年も経てば見方が変わるかも知れない。しかし、いま彼を見放しつつある人々の支持を取り戻すことは、まず無理だと思う。」「では彼に代わるべき意中の人はいますか?」「それがいない。日本がもう駄目だーーと私が思うのはそこですよ」

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COMMENTS

1 : Sako : August 13, 2015 11:04 PM

私は常に悪くも良くもない、ただ現象起こっているだけとの立場に立っています。
運転手さんの言われる様に、安倍政権の神通力は無くなったのだと思います。
ただ、過去を振り返ると短命政権が続きました。この国は、民主主義で、だめな宰相はすぐに淘汰されるとも思っています。
私は国指導者よりも、この国の制度に信をおくべきだと思います。

安倍さんは、最近やるべき事よりも、やりたい事を優先している様で支持出来ません。

維新の会を、対案を出し(支持出来るかに関わらず、日本にも本格的な野党が出来て期待しています。

最近、カント永遠平和ためにを読み、この国の制度が好きになりました。

2 : 湖の騎士 : August 15, 2015 04:13 PM

Sako様 コメントありがとうございます。最近の安倍さんで気に入らないことを絞り込むと 1.「お友達」を起用しすぎること(ドゴール曰く「人間は友を持つことができる。だが政治家は友を持つことができない(友を持ってはいけないのだ) 2.重要な案件についてマスコミに向けてしゃべりすぎる(「沈黙の政治的効果」というものが分かっていない。文字通り政治に命を賭けるという覚悟があれば、一睨みで野党を黙らせるくらいの気迫が生まれてくるはず)。維新の党が本来の野党としての健全さを発揮し、成長してくれることを私も願っています。だめな宰相を取り替えうる日本のシステムは私もすばらしいと思います。しかし取り替えているうちに、だんだん悪くなってゆく気がします。「永遠平和のために」は岩波文庫でいちばんページ数の少ない本だと思います。20歳のころに買い求めましたが、「類まれな駄作」という評判を聞いて(人の影響を受けやすい!)、完読はしていません。理論ばかりの世界で生きてきた人としての「実務を知らない弱み」みたいなものがあるのではないでしょうか?

3 : Sako : August 15, 2015 10:28 PM

確かに、安倍総理は喋り過ぎです。しかも小泉さんの様に上手くないのに喋るので、なおの事タチが悪いです。

やりたい事を優先し、他をほっぽり投げるけれど、結局やりたい事でも妥協して、何一つ成し遂げていません。短命に終わった第一次安倍政権の方が、成し遂げた事が多かったのではないかと思います。

あれだけ騒いだ、農協全中改革は、参議院で審議すらしていません。安保法制や70年談話は公明党の意向を取り入れてねじ曲がる。

長期政権が、この政権の目標なのでは?と疑ってしまいます。


「永遠平和のために」は、常備軍を廃止せよと馬鹿げた事を言っています。時代の制約がありますが、民主主義(カントは共和制と言っていますが)について考える良い教材となりました。

4 : 湖の騎士 : August 16, 2015 04:25 PM

Sako様 再度のコメントをありがとうございます。安倍総理について、私もだいぶきついことを書きましたが、このところ安倍政権に文句をつけている、羽田、細川、村山、鳩山、管といった「元総理」たちの、箸にも棒にもかからない超低能ぶりに比べれば、安倍さんは数等ましです。長期政権もいいですが、昔の歌にもあるように「男ならやってみな」というものをひとつだけでも成し遂げてから辞めてほしいと願うようになりました。念のためにいうと、自民党の一部で総裁に担ごうとしている(らしい)橋本聖子、石破茂といった人々は、論外です。しっかりした国家観も国際認識も持っていないからです。久しぶりにカントという名に接し、分かっても分からなくても『純粋理性批判』などにかじりついていた青春の日々を思い出しています。とにかく「分かっても分からなくても読む」人間が多い方が世の中は面白いと思います。欧米の「元若者」たちとメールで意見交換をしていて、彼らもニイチェやサルトルを読みふけっていた時代があったのを知り、ほほえましく感じています。

5 : 泥田の落武者 : August 17, 2015 07:22 PM

湖の騎士様、

私は安倍総理にはまだ期待しております。因みに私も相当に諦めの悪い人間です。

先日の70年談話は、極めて高く評価されて良いものでは無いでしょうか?また、あの談話を受けて、内閣支持率が5%近く上がったという点でも、まだ日本人にもまともな意識があるという事では???
(確かに、何に賛同して支持率が上がったかは精査する必要性があるでしょうが)


池内先生も以下の様に述べて居られます。

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>首相が、本心や真意はともかく(それは神でもなければわかりません)、国際的な水準でほぼ完璧な、リベラルな談話を読み上げたことは、非常に良かった。首相の「真意」などどうでもいい。首相は国権の「機関」である。個人的な「真意」ではなく、国民を代表して、国際的に肯定的な影響力を与えることを言ってもらわないと、国民としては困る。

今回の談話は、「日本の首相はrevisionistではありません」と明確に宣言したのであって、それが現在一番外交的効果のあることです。

もともと首相が何のために談話を出そうとしたのかはもう誰にもわかりません。学者の議論を踏まえて政治判断がなされた。今回はその意思決定の結果としての文面は良いものだったと私は判断しています。

真意を見せろ、誠意が見えないといって土下座を迫るのは土人の悪習なので私は好みません。

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また、私がお世話になっている某先生も、以下の様に評価しておられます。(長文失礼します)

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>安倍談話に関する私の理解について解説します。

「世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。」
「私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。」

以上2箇所の読み方についてです。

第2次世界大戦は、「自分だけ良ければよい」とブロック経済で不況を乗り切ろうとした英仏に対して、「持たざる國」の日独がそれを打破しようとしたという構図です。その意味では、双方ともに反省の必要があるのですね。

そして、現状について考えてみると、既存秩序の維持者は日米欧で、それを打破しようと動いているのが中国という構図です。既存秩序によって多大の便益を得ている日本が、それを破壊しようとするはずがないのですからね。

ここで考えるべきは、既存秩序とは自由貿易体制であり、日米欧だけでなく参加国すべてがその恩恵を得ているのですよ。もちろん中国もそうです。かつてのブロック経済圏とは正反対ですね。

しかし、今、中国がやろうとしていることは、単に既存秩序の打破というだけでなく、新たなるブロックの構築という側面を持つのです。中国が独り勝ちする世界というわけですね。

したがって、安倍談話は過去の反省というだけでなく、過去の反省を踏まえた教訓として、中国のこうした動きに対抗しなければいけないという決意表明でもあると考えています。

6 : 湖の騎士 : August 18, 2015 11:45 AM

泥田の落武者様 コメントありがとうございます。非常にバランスの取れた、鋭くかつフェアなご意見だと思います。15日に談話を出すというので、しかも「お詫び」「侵略」「反省」といった文言が入るということが事前に漏れてしまったために、これまでの安倍支持者たちは「譲りすぎだ」という失望感を抱いていました。しかし実際に出たコメントは、最後のところで踏ん張りを見せ、しかも軽度ながら日本を断罪する勢力に対する「反撃」も試みています。政治も外交も生き物ですから、不本意な妥協や屈辱をも甘受しなければなりません。そうした逆風の中にあって、今回の「談話」は高く評価されるべきだと私も思います。願わくば、今後はあまりしゃべりすぎないでもらいたいこと。愚かな閣僚や党の役員は、一刀の下に切り捨てるだけの厳しさを持ってほしいこと。さらに歳費を受け取るに値いしないような野党議員の愚問には、一瞬睨みつけ、しばし沈黙してから答え出すくらいの「凄み」「格の違い」を示してもらいたいことです。