View of the World - Masuhiko Hirobuchi

November 14, 2015

コンサートホールにいた「観客」という NHKの国語力 -

現地時間の11月13日、パリで同時多発テロが発生。CNNによると150人以上が死亡したと言われます。この惨事を扱ったNHKテレビの14日正午および夕6時のニュースは、(犯人たちは)「コンサートホールにいた『観客』に向けて発砲した」と伝えました。日本語の常識としては、ここは「観客」ではなくて、「聴衆」とすべきです。どうやらNHKは、音楽というのは「観に行く」ものであり「聴きに行く」ものではないと勘違いしているようです。もっときつく言えば、「観客」の「観」という字が「観る」(見る)を意味するということすら分かっていない可能性もあります。あるいはこのニュースを配信した通信社の原稿が観客」と誤記してあったのかも知れませんが、それは言い訳にはなりません。日本の公共放送の国語力がこの程度だとすれば、本当に嘆かわしいことです。つい数日前のニュースでも「音楽会の観客」と伝えたので、私は「至急訂正せよ」と電話をしたのですが、この抗議は取り上げられなかったようです。受信料を払うのがいやになってきます。NHKの窓口の電話は 0570-066-066 です。

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COMMENTS

1 : 悠々 : November 16, 2015 08:58 AM

全く先生のご指摘の通りです。
NHKの国語能力はかなり低いものです。
私が気になるのはアクセントの間違いです。
アクセントは間違えれば別の意味合いになることのあります。
チェック機能もないらしく同じ間違いのアクセントを次のニュースでも平然と繰り返したりします。
些細な間違いを繰り返しお詫びしたりしていますが肝心なことでの誤りには無関心のようです。
高橋昭三(名前は違っているかも?)のような正しい日本語を話すアナウンサーはもう生まれてこないのでしょうね。

2 : 湖の騎士 : November 16, 2015 10:39 PM

悠々様 コメントありがとうございます。たしかに最近は間違ったアクセントでしゃべる局アナやタレントが多いですね。人名や地名の誤りもしょっちゅうです。ご指摘の高橋アナの「名前」は明日までには思い出せると思っています。しばらくお待ちください。

3 : 悠々 : November 17, 2015 04:58 AM

高橋敬三だったのではないでしょうか?

4 : 湖の騎士 : November 17, 2015 10:10 AM

悠々様 昨夜貴コメントにお礼を書いたすぐ後で思いだしました。高橋圭三さんでしょう。NHKで名声を得たあと、フリーになり、毎年大晦日には日本レコード大賞(TBS系)の司会をされていました。アナウンス技術だけでなく人間的にも魅力があり、安定感のある方でした。

5 : 悠々 : November 17, 2015 11:30 PM

圭三さんでしたね。
先生の記憶力には感服です。
一度日比谷公会堂で彼の講演を聞いたことがあります。
心地よい語り口でした。」

6 : ねこ屋亭主 : November 18, 2015 03:18 PM

昔からそうですが、ロックコンサートは、派手なパフォーマンスが特徴です。
聴くより観る、自分たちも身体を動かし、舞台に同化する、そんなコンサートは「観客」で違和感はありません。観るというパーセンテージの方が高いですよ。

7 : 湖の騎士 : November 18, 2015 09:51 PM

ねこ屋亭主様 コメントありがとうございます。NHKは「ロックコンサート」だった」とは一言も言わず、「コンサートホールにいた観客」と言いました。事件発生から3、4日後、テレビ朝日は「ロックコンサート」と伝え、同じレポートの中で「観客」と「聴衆」を併用していました。普通「コンサート」と言われれば「聴きに行く」ものだと思うのが普通でしょう。実はこの事件の数日前に、ジュネーブですぐれた音楽家への表彰が行われ、日本人男性が作曲部門で優勝しました。これを伝えたNHKニュースは、この音楽会(発表式)に出かけた「観客」という言葉を使っていました。別の機会に「落語」を扱っていましたが、ここでも「観客」を使っていました。だいぶ前の朝ドラでも若い女性の落語家が、友だちに「観にきてね」と言っていました。落語でさえも「聴きに行く」ものではなく、「観に行く」もののようです。NHKの言語感覚の中に「聴衆」という言葉が乏しすぎることへの警鐘を鳴らしたつもりです。