View of the World - Masuhiko Hirobuchi

December 13, 2015

ノーベル平和賞受賞者の「対話万能」信仰 -

ノーベル賞は日本人受賞者ばかりが大きく取り上げられ、「平和賞」受賞の4人のチュニジア人の扱いが小さいようです。この人たちは、空爆などでは平和や安定は訪れず、シリアで戦っているすべての勢力が「対話」すべきだと唱えて、このきわめて「政治色の強い」賞を受賞しました。記者会見を見ていて、この言い方は、まさに日本のマスコミ好みの「主張」と一致している、と感じました。こういう主張を「よくぞ言ってくれた」と感激して、「その通りだ」と今後はしゃぎ出す人もいると思います。しかし「対話」がはたして可能でしょうか? 諸勢力は自分が有利な立場に立った場合、あるいはきわめて劣勢に陥った場合にのみ対話に応じるものだと認識すべきでしょう。その辺のところを、フランス、イギリス、ロシア、トルコなどのトップ指導者はよくわきまえていると思います。アメリカのオバマ大統領は、いまだにシリアで起こっている事の「意味」が分かっていず、見当はずれの対応に終始しています。日本のメディアの「対話万能主義」もまた、本当の現実を見ていないゆえの硬直した見方だと思います。

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COMMENTS

1 : Sako : December 14, 2015 05:36 AM

私も新聞記事で読んでいて同じ事を考えました。
今ではイスラム国が騒がれていますが、10年を超えるテロとの戦いを続けたお陰でアルカイダの脅威は減りました。
幹部の暗殺を続け、ビンラディン、ザルカウィを除去出来ました。

宗教指導者サドル氏も静かにしています。

シリアが今まで安定していたのは、父アサドが反対派を皆殺しにしたためです。
イスラム国の戦闘員の殲滅、資金の監視、インフラの破壊。こうした事が重要だと考えます。
よく空爆は効果が少ないと言われますが、効いています。その証拠にバグダディーが表に出てこれていません。

2 : 湖の騎士 : December 14, 2015 03:09 PM

Sako様 コメントありがとうございます。今回のノーベル平和賞は、与える側も受け取る側も見え見えの「芝居」をしたように見えます。受け取る側の4人は、オスローの平和賞委員会が喜びそうなコメントを出して、他のヨーロッパ諸国の軍事行動に歯止めをかけようとしています。上から目線で「説教臭」が強く、いまひとつ信用できません。仰せのとおり、空爆は効いています。ISの最高幹部は、必死で空爆を逃れているのでしょう。イギリスもフランスも本気です。ロシアは戦闘のあとに訪れる小休止の後も中東に居座りつづける可能性があります。第二次世界大戦の終結間際に東欧諸国に居座っていたソ連赤軍が、大戦後の東欧支配にどれほど役立ったかを、ロシア人は知りつくしています。軍事と政治が絡まった駆け引きが、彼地ではすでに始まっているのかも知れません。