View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 16, 2016

「とと姉ちゃん」と「コンシューマーレポーツ」 -

NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」は間もなく終りますが、非常に「フェアではない」と思えることがあります。それはヒロイン常子が経営し、花山が編集長を務める「あなたの暮し」誌の最大のセールスポイントである「商品試験」が、あたかも常子一人の頭脳から生まれたかのような描き方をしていることです。この企画には、はっきりしたモデル・先例があります。アメリカの「コンシューマー・レポーツ」誌です。創刊から80年以上が経ち、今も消費者(コンシューマー)の購買行動に大きな影響力を持っています。発行部数は450万部を超えています。「とと姉ちゃん」は、この巨大な先輩について、一言も触れていません。すべては大橋家(小橋家のモデル)の三姉妹と花森(花山のモデル)の独創であり、学ぶべき先例はなかったという描き方です。よくモデルのあるドラマでは「このドラマはフィクションです」という「おことわり」が出ます。このドラマも突っ込まれればそういう言い訳をするでしょう。「なにも史実に忠実につくる必要はない」という言い訳が用意されているのだと思いますが、それにしてもフェアではない。私が学生のころは、学生・社会人の多くが「暮らしの手帖」と「コンシューマーレポーツ」の関係を知っていました。いわば当時の日本の常識でした。この月刊誌に全く触れないというのは、NHKの大きな落度だと思います。

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