View of the World - Masuhiko Hirobuchi

October 10, 2016

無知と嘘だらけの連ドラ -

NHKテレビ(朝8時。月ー土曜日)の連続テレビ小説(通称「連ドラ」)は、台本をチェックする体制ができていないためか、「あまりにも事実と違うこと」を放送しすぎています。これでは日本人は、誤った歴史認識を巨大組織NHKによって押し付けられている状態で、これは大変危険なことです。10月10日はその第7回目でしたが、内容はひどいものでした。(1)時は昭和17年の12月。ヒロインすみれの姉ゆりは、父親がオーナーである会社のやとわれ社長の息子潔(きよし)に思いを寄せていますが、自分は彼を好きだ。愛する人と結婚したい、ということを、父親・潔・潔の父の目の前で打ち明けてしまいます。想像ですが、このドラマの作者は、本当に自由で因習に縛られない女性は、はっきりした自我の持ち主であるべきで、このくらいの愛情告白をするのは当たり前であり、カッコイイことだと思いこんでいるために、こういうストーリーを作りあげたのだと思います。さらに言えば、ゆりは英語が得意であり、アメリカの本などもよく読んでいますが、作者の頭の中には、アメリカの若い女性はこれくらいのことは「言うはずだ」という思い込みがあるようです。これはとんでもない思い違いであり、「無知」そのものです。日本の娘たちがアメリカに留学してまず驚くのは、女子学生たちは恋愛においては非常に控え目であり、女の方から「男子をデイトに誘うなどとはとんでもないことだ」というのが「常識」になっているのに気付くことだそうです。「デイトしたいと匂わせることすらしてはいけない。もしそんなことをすれば、男子の間でも女子の仲間内でもたちまち評判になり、あの娘はあばずれ、すれっからし、といったレッテルを貼られてしまう。日本のドラマなどを見て安易に洗脳されてアメリカに行き、無知と無教養をさらけ出してしまう女性たちが実に多いというのが、実情です。NHKの責任は重大です。 (2)ヒロインのすみれは、好きな潔にすすめられて彼のバイクに乗り、後ろから潔にしがみついています。今の時代なら、こういう光景も珍しくないでしょうが時は昭和17年、日米の開戦からちょうど1年目の時代です。このころに女学校5年生の良家の子女が、若い男にひっしと抱き付いて衆人環視の中をバイクで疾走するなどということは、まず絶対にありえません。世間の見る目はまちがいなく「不良少女」ということです。作者もディレクターも無神経すぎます。受信料という「公金」を使って、歴史を改竄(かいざん)するようなドラマを作るなどとは、許されないことです。

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1 : 筆者より 追記 : October 11, 2016 12:09 PM

ここにご紹介した連ドラ(NHKでは「連続テレビ小説」と呼んでいます)のタイトルは「べっぴんさん」です。10月3日放送開始。舞台は神戸です。